2020年06月05日

コロナ禍、障害者に何が起こり・どう生きるのか

コロナ禍、障害者に何が起こり・どう生きるのか

 1960年代に道を歩いていると石を投げられた記憶がある。「障害が移る」と言って石を投げてきた子どもがいた。私は、悔しくて石を投げ返しました。その時代は、障害者が地域で生活することや道を歩くことが珍しかったのかもしれないが、障害者に対する理解がそんなになかった時代であった。
 1970年代に日本では障害者解放運動が起こり、障害者差別からの解放を掲げ、「障害者と健常者が共に生きる」社会をめざして運動が行われてきました。
 今起きている新型コロナウイルスの流行は、障害者の地域生活に何をもたらそうとしているのか。障害者差別がどのように変わっていくのか。そのことに直視していくことが求められていくことになるだろう。

コロナ関係図.gif
A.これまでに見られなかった相談内容(特徴)
■利用者さんが複数のサービス事業所を利用することによるリスク
 新型コロナウイルスの感染問題が大きくなったのは4月からでした。「ある障害者のデイサービスでクラスターが発生」したことがきっかけです。(図の@実線
「そのデイサービス」を利用していた障害者の方たちが【他のデイサービス】を利用されていたことで【職員や利用者さんたちが「濃厚接触者」】と認定され、自宅待機となりPCR検査を受けられました。結果的に、全事業所(5,6箇所)が「陰性」という結果になりました。

 この問題は、これだけに留まらず、【他のデイサービス】を利用されていた利用者・職員さんが「濃厚接触者」として認定されることにより、職場を休まれたり、感染拡大予防として濃厚接触者となった利用者さんにデイサービスを休んで頂くことになっていきました。そのことにより、これまでデイサービスでお風呂に入っておられた方が自宅でのお風呂に切り替えられたり、デイサービスの利用回数を減らさざるを得なくなり、ヘルパーさんの利用が増えていきました。(図のA点線部分)

 さらに、(図のB点と線部分)「濃厚接触者」が他の日中活動系サービスを利用していた所で、そこを利用されている利用者さんたちに関わるヘルパー事業所が、訪問している他の利用者さんたちに事情を説明されて「ヘルパーさんを派遣してもよいか」という確認を行い、不安を感じる方たちが「濃厚接触者と言われる方が陰性の結果が出るまでヘルパーさんをお断りされる」方もおられました。
 また、利用者さんたちがデイサービスでの感染やヘルパーさんからの感染を恐れて利用を一時的に辞められる方たちもおられました。これは、介護が伴うものだけでなく就労系サービスでも起こっており、自宅での作業に切り替えた事業所もあります。

■利用者が外出自粛できず、ヘルパー事業所が撤退。
 もう一つは、新型コロナウイルスで3密(密集・密着・密接)の回避をはじめ、緊急事態宣言が発出され、外出自粛がで求められていましたが、そのことを利用者さんにお願いしても聞いてくれないということで、ヘルパー事業所がその方へのヘルパー派遣を終了されたり、感染の恐れから介護職が辞めていくということもありました。

■施設や病院での対応。
 施設や病院などでは、当初から面会の禁止が行われていましたが、今は家族の面会禁止まで及んでいます。

■気管カニューレの不足
 この新型コロナウィルスが肺炎を引き起こし、重症化すれば人工呼吸器をつけられる方が多くなる中、気管切開される事により気管カニューレの製造が間に合わなくなり、日常的に気管カニューレを必要としている方たちが手に入らなくなっています。
 また、手指消毒剤や使い捨て手袋などが手に入りにくい状況にあります。

■福祉サービスの提供の仕方の変化。
 移動支援や同行援護等の外出支援のサービスを受けているかなりの人たちが利用を自粛されていると聞いています。これは利用者だけでなく、事業所側も控えているようです。

A当面の問題点と課題、
■複数のデイサービス利用者に対して
 今、デイサービスにおける感染予防対策として、一人の利用者が複数のデイサービスを利用することを控えてもらっているそうです。1事業所に絞って利用してもらったり、よく利用する人だけに対象を絞ったり等の対策をされています。
 また、感染予防としてはマスクをつけたり、手洗いなどが一般的ですが、それをできない知的障害者の利用の仕方が課題になっています。
 もともと、一人の利用者が複数のサービス事業所を利用するのは、1事業所だけで受け入れることが困難ということで行われてきた利用の仕方でした。今後のサービス提供に課題が残るかもしれません。

■「濃厚接触者」になったら
 ヘルパー事業所やデイサービス事業所は、利用者が「濃厚接触者」になったらヘルパー派遣や利用を取りやめるという内規を決めておられる所もあります。これでは、常時介護を必要とする障害者にとって、生命の維持すら難しくなっていきます。今でも、高齢者施設や障害者施設でクラスターが各地で発生していますが、感染症指定医療機関への入院が進まない現状を見たときに、ひとり暮らしや家族と暮らしている障害者や高齢者の医療や介護が保証されていくのか甚だ疑問に感じます。いろんな不安を訴えておられる。

■福祉サービスの自粛は、いつまで続くのか。
 感染予防で福祉サービスの利用を控えておられる方たちは、今後の利用についていつまで自粛すればよいのかという不安があります。

■危機感を共有できない人たちの福祉サービスについて
 緊急事態宣言の発出で外出自粛が求められてきました。現在は、宣言が解除されましたが感染の危険性がなくなったわけではありません。感染していても症状が出ない方もおられる中で、利用者もサービス提供する側もいかに「感染しない」「感染させない」という対応がお互いにできるかという課題があります。それができなければ、サービス提供を断られることが今後もでてくると思われます。

■もともと人工呼吸器を必要とする人たちの医療機器の確保。
 今回のことで人工呼吸器装着者が必要とするマスクや手指消毒剤や使い捨て手袋などが必要なのになかなか手に入らない実情がありました。またコロナウイルスの感染者の重症化に伴い気管切開による気管カニューレを必要とする人たちが増えていることによって気管カニューレの製造が間に合わなくなっています。
 このためにもともと気管カニューレを必要とする人たちが手に入らない状況の打開が求められています。



B障害者の自立生活で今後、懸念される事項
 ここ数年、福祉サービス従事者の人手不足が起きていましたが、今回の新型コロナウイルスも問題はより一層そのことが顕著になり始めています。全国的には、感染を恐れてサービス従事者が辞職されたり、デイサービス事業所や居宅サービス事業所の休業が始まっています。
 現場では、感染予防の観点から利用者を減らすなどの対策が取られていますが、そのことによって採算が取れなくなるともいわれています。
 世界的なパンデミックが起きた国では、人工呼吸器の取り合いが起こり、若者を優先的に回され、高齢者は後回しにされたり、そのまま亡くなっていくことが報じられています。障害者運動は優生思想との闘いを掲げてきたが、パンデミックは、命の優劣をつけられることになりました。
 福祉サービス提供事業所の縮小や撤退と福祉サービス従事者の減少は、選ばれた障害者だけが福祉サービスを受けて生活できるようになるのではないだろうか。また、家族介護に戻され、子殺しや親子心中が増えていくことにならないだろうか。

■障害者の新しい自立生活のあり方を模索する必要性。
 これまで、感染症は100年に1度といわれてきましたが、2000年に入りSARSやMERS、そして今回の新型コロナウイルスが起きています。今新しい生活様式が求められていますが、障害者の新しい自立生活のあり方・介護のあり方を模索していく必要性を考えていくことなのかもしれません。


平井誠一
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2020年02月26日

地域医療と医療的ケアのいる人たち

開催の延期のお知らせ

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このたび、コロナウィルスの流行によリ、以下の企画を延期します。
よろしくお願いします。

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地域医療と医療的ケアのいる人たち
喀痰吸引を行える人の要請と支援体制のために横の繋がりを考えよう。
講演会&パネルディスカッション
年月日:2020年3月14日(土)
場 所:サンシップとやま

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2020年02月25日

差別とは何なのか 『差別的な看板』から その2

差別とは何なのか 『差別的な看板』から その2
天然温泉付き地域交流館 (社会福祉法人 〇〇会)問題

 天然温泉付き地域交流館に入っていくと職員の人が「お風呂は段差があるので入れない」と言われましたが、実際にお風呂に行ってみると脱衣場やお風呂の中は段差もなく、身体を洗うところや通路も広く、浴槽に入るのに手すりも付けられていました。段差というとお風呂の奥に戸があり10pぐらいの段差になっており、外には埋め込みの露天風呂がありました。シャワー椅子などを使っても充分に2〜3台は入れるくらいでした。
 お風呂から出ると施設長が来られ、奥で話そうと言われて奥に移動しました。代表者と話すと言われたので、車イスを利用している私が部屋に入ろうとしたら、私を無視して健常者に対して話しかけていたので、「あなたは、障害者や高齢者を相手にして仕事をしているんだろう。そのあなたが障害者である私を相手にしないのか」と施設長にいいました。一緒に行った人たちも「この人代表だから」と言っているのに施設長は聞く耳無く、しばらく騒然とした。

 何故、「入れ墨・タトゥー・暴力団の方はただちに110番します。 紙パンツ・車イスの方・泥酔・乱暴な方のご入場はお断り致します。〇〇苑」の看板を挙げたのかについて施設長は、「この施設は、障害者の施設だと思われて一般の人たちが来なくなるから」といわれ、「一般客が来てくれないと収入が上がらない」といわれた。「車イスの人でも利用出来る人がいますよ」といいましたが、「車イスや紙おむつの人がいると一般客が嫌がるでしょう。そういう方たちは、奥の(この敷地内の奥に高齢者施設があり、デイサービスも運営している)施設を利用すればよい」と言われるのでした。

 この建物は1階部分は、地域交流スペースがあり、2階から4階はサービス付き高齢者住宅がある建物です。その頃はまだ入居者が10人以下だといわれました。
 施設長の話からは、この地域交流スペースで収入が上がらないと困るんだということでした。国の機関の補助金を受けて建てられたとも話されました。

◆何故、5月にオープンして数ヶ月で正面玄関前の車椅子マークの駐車スペースを黒く塗りつぶす必要があったのか。
 玄関の戸には高岡市まちづくり条例適合証マークが貼られていました。玄関は天然温泉付き地域交流館と〇〇包括支援センターの入り口があり、駐車スペースの後ろには飲食店があります。
 合理的配慮からしても、理想的な作り方になっているのに、何故車椅子マークの駐車スペースを塗りつぶす必要があったのか。行政的には「法的に、敷地内に1箇所の車椅子マークの駐車スペースがあれば違法ではない」との見解であった。この理屈でいけば、車椅子マークの駐車スペースが建物から遠く離れて端に作ってあっても「合法」ということにならないのか。
 どう考えても国の補助金を取るのに審査が通りやしくするために、正面玄関前の車椅子マークの駐車スペース付け、審査が通ったので黒く塗りつぶしたとしか見えないと思います。それに、必ずしも温泉を入る人だけが利用するとは限りません。

◆この差別看板と車椅子マークの駐車スペース黒塗り問題とは
 高齢者施設を運営する社会福祉法人が同じ敷地内に天然温泉付き地域交流館と〇〇包括支援センター等を何故作ったのかではないだろうか。
 看板から感じ取れるのは、そもそも@暴力団と障害者や高齢者を同列に扱われていること。A外国人労働者を日本で働いてもらうことを国の方針としても出されている中で、入れ墨・タトゥーを入れていることが即暴力団と決めつけてよいのか。B紙パンツ・車イス利用者を排除していること。看板から受け取れるものは、「迷惑な人たち」ということだといえます。
 もう一つは、車椅子マークの駐車スペースを黒く塗りつぶす行為は、天然温泉付き地域交流館と〇〇包括支援センター等を紙パンツや車イスを使っている人たちに利用してほしくないということを意味しているといえるだろう。
 つまり、@地域交流スペースの利用者に紙パンツや車イス利用者が含まないこと。A〇〇包括支援センターに紙パンツや車イス利用者に来てほしくない、もしくは来ないもの。
 これらのことをこの社会福祉法人が機関で決定して、@看板を立てる予算を計上し掲示した。A車椅子マークの駐車スペースを黒く塗りつぶすことを決定し予算化し塗りつぶした。つまり、差別的行為を予算化し、それを行為として行ったことに本質的な問題が貫かれていることである。このような間違った行為に行政がお墨付きを与えていることになっていないだろうか。いま問われていることは、「ともに生きる社会」の中身ではないだろうか。
                                             文責:平井
posted by りーぶる at 22:19| Comment(0) | 差別問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする