2017年10月23日

脳性麻痺の二次障害の手術から10年5ヶ月を迎えたいま

脳性麻痺の二次障害の手術から10年5ヶ月を迎えたいま

私は、脳性麻痺で64歳になりました。10年前に脳性麻痺の二次障害で痛みが首や肩・頭・背中などに走り脂汗をかき眠れなくなりました。それまで使っていた布団は寝るだけで痛く、寝返りもすることが痛くてできなくなりました。さらに、それまで歩行器を使って家の中を歩いていたのも力が入らなくなり、腕も上がらなくなり一人でご飯も食べられなくなりました。その状態になる前に、腰が抜けるようになり、立って小便をしていた時に途中で腰抜けてしまい、ズボンを濡らすこともありました。大便をする時も下着を下ろすこともできなくなり、お尻も拭けなくなりました。
54歳の時まで、ゆっくり進んできた手のしびれや痛み、歩きにくくなってきた状態を振り返ると、20代半ばに指先にピリッと痛みが走るようになりました。この頃によく聞かされるようになったのは「歩ける脳性麻痺者は、痛みやしびれが出て高熱を出して寝込むようになり、1年後は寝たきりになってしまう」ということでした。自分もそういう風になっていくんだと思いました。その頃に診てもらった医師からも「10年後は寝たきりになりますね」と言われました。この頃から、歩行器と車椅子を使い分けるようになりました。たぶん、この使い分けがよかったように思います。二次障害の進行を遅らせてきたように思います。歩けなくなっていくことが、ゆっくりゆっくり進んで行ったように思います。当然、歩行器と車椅子の利用割合は車椅子の方に比重が大きくなっていくようになっていきました。50歳に入り風呂で頭が一人で洗えなくなったように思います。

◆障害の進行は積み木崩しのように
 二次障害は積み木崩しのように、ガタガタと凄い勢いで進んで行った。睡眠薬をもらって飲んでも2時間か3時間ぐらいしか眠れなかったことを覚えています。急いで、かかりつけの医師にお願いして二次障害の手術をしてもらうのに病院に入院をさせてもらいました。入院先は金沢の病院でした。1ヶ月間の精密検査と軽いリハビリを受けながら手術を待ちました。入院時にできたことは、パソコンのスクリーンキーボードでマウスを膝の上で動かして簡単なメールを打てるぐらいでした。あとは、全介助でした。たぶん、今から考えるとうつ病だったように思います。何かすごく涙が出て、精神的に障害の進行速度について行けない自分がいました。それを支えてくれたのは毎日代わる代わる来てくれた友人たちでした。食事介護・歯磨き・着替え・お風呂介助・散歩等で支えてもらいました。

◆現在の状況
 手術して10年5ヶ月が経ちました。この前、MRIとCT、そして骨密度を測りました。私は後方からの固定術で2・4・5・6番の頸椎を切り開いて間に人工骨を入れてあります。また、2・4・5・6番の頸椎を縦にチタン合金と骨盤から取った骨を頸椎の両側に縦に入れてボルト8本で止めてあります。ボルトは頸椎に直接ねじ込んで止められています。(注意:首の手術を受けられた方で、ヘルニアと同じ手術を受けている方がおられますが、これは不随意運動のある者にとってはだめだそうです。)
 私の場合は、今のところ緩みや抜けてきていることもなくきています。
脳性麻痺の二次障害の場合は、不随意運動(アテトーゼ)が原因で頸椎が曲がったり歪んだりすることによって中の神経が圧迫されて、そのことによって圧迫される頸椎が何番目かで手や足などが動かなくなっていきます。また、1番の頸椎を痛めると呼吸器系に障害がくると言われ命に関わることになるといわれます。医師からは、1・2番の頸椎がズレると頭蓋骨に1番目の頸椎を固定する手術になり、6・7番がズレるとまた手術しないといけないといわれてきました。10年でズレてくる人は1割だと聞いてきました。手術時間は8時間かかりましたので、もう一度というときついてすね。(注意:手術後に「治った」と思って直ぐに動き回る方がおられます。痛みやしびれが一時的に和らぐのですが、後で悪くなる方もおられます。私の経験上3年ぐらいは無理しない日々を送ることが大切だと思います。)
 骨密度(標準100)は、腰は106で、右の股関節は52でした。ちょっとショックでした。医師から言われたことは、腰は曲がっていてよく動かすので平均よりも高いのではないか。股関節は、あまり動かさないので平均より低いのではないだろうかと説明されました。執刀医からは、「歳を取ってきているんだから筋力や骨密度が低くなるので足踏みや立ったりしなさい」といわれてきました。筋力や骨密度が落ちていくと、また悪くなっていくことになるのでといわれています。右の股関節が悪くなってきていることはかかり付け医からもいわれていて、右足の先が左に入り込んできていて変形してきていることがあります。

◆自覚症状と身体的状況
 自分自身自覚している身体的状況は、@左手にしびれがあること。A左足膝から下の感覚が薄く傷を作っていることがある。B左首の肩こりがひどい。C小便は尿瓶で行っている。D大便は車椅子からなんとか移動して便器に座ってしています。E着替えやお風呂の介助が必要です。Fズボンは履けますが、左後ろの服をズボンに入れられず出たままになります。G寝返りはベッドの手すりを使ってなんとかしています。Hベッドからの起き上がりは、3モーターで背もたれをあげています。あげないと首に負担がかかり痛みを感じることもあります。I今から大変なのは、寒くなってくると眠れなくなってくることです。K今すでにあることは、明け方に暑く感じて目が覚めてしまうこと。そのために寝不足になっています。(一般的には気温が下がってきて寒く感じるのですが・・・)
◇改善されたこともあります。Lそれは2〜3年前から夏にカーディガンを着なくてもなんとか過ごせるようになってきたこと。M汗をかくようになってきたこと。●しかし、エアコンには弱いです。痛みやしびれが強くなります。

◆今気をつけていること。
 @ひっくり返らないこと。A転ばないこと。B自動車に乗るときや風呂に入るときはネックカラーを付けるようにしている。(振動等で首に痛みが生じることがあるので。)C冷やすと痛みやしびれが強くなるので講演会や会議などではエアコンの当たらないところを選んでいます。(ネッカチーフを持ち歩く)D虫歯や歯の清掃に気を配っています。(頸椎に入れた金具に菌がつかないようにするのと誤嚥性肺炎の予防もあります。)E頭や首をできるだけ動かしすぎを無くすように体ごと動かすようにしている。F講演会などでのパワーポイントなどの映像なんかは高くて首が痛くなるのでできるだけ前席は避けて、後ろの席にする。G姿勢ができるだけ真っ直ぐなるように座る。(時々デジカメで全身の写真を撮る。姿勢を見る。友人に指摘してもらう。)H職場や講演会でも疲れたら、背もたれを倒して休むようにしている。無理はしない。Iパソコンの画面は目の高さまで上げて、できるだけ頭を傾けない。長時間パソコンをしない。資料はPDF化してパソコンで見る。

◆今やっていること。
 家で自主的に軽いストレッチをしています。@腕を回したり、A腕を後ろにそらして胸を広げて肩甲骨や肩の筋肉を動かしたりしています。B足を立てて膝を左右に倒すとか、C朝夕立ったり足踏みしたら、D家の中を車椅子で動き回ったり、Eグーパーグーパーで手を広げたり握ったりなどしています。F手を引っ張ってもらったり、G車椅子に座ったまま前に体を倒したり起こしたりします。●これにより改善されたことがあります。痛みやしびれが和らいだこと。風邪を引きにくくなった。動きが維持できていること。関節が固まらないこと。筋力維持や抵抗力を維持することに気をつけています。体を動かすことは免疫力を高めることにもなっていると思います。医師からは、ゆっくり動かし、疲れない程度に1日数回行うといいといわれています。

◆最後に
 脳性麻痺の二次障害は「怖いもの」、「宿命的なもの」と思ってきました。小さいときは20歳まで生きられるかどうかといわれました。現在64歳になって自分の両親よりも長生きしています。振り返れば、歩くことができなかった小さい頃、歩けるようになった10代の頃。そして20代半ばから二次障害の初期症状で出始めて歩くことが段々できなくなっていき、50代半ばに二次障害の手術を受けて現在に至っています。医学的には医療技術が進んできていますが、私は今あればよいと思うことは二次障害の予防という視点です。脳性麻痺の不随意運動(アテトーゼ)は、自分の意思に関係なく起こります。
 小さいときは、歩けるようになるために「訓練」を中心に施設では受けてきました。そのこと自体の是非はいろいろ議論があるようだが、私自身はその頃母が脳腫瘍で目が見えなくなり手術しなければならず、何年も母と会っていなかった時期だったので「母と会うために歩きたかった」というのが本当の気持ちだったように思います。母は、13歳の時に亡くなりました。歩けるようになったこと、それはそれで新しい世界に出会えてよかったと思っています。
 自分の障害とどう付き合っていくのかは、なかなか難しいものだと思います。障害は固定された状態をいうといわれますが、私にはそんなことよりも障害の進行が積み木崩しのように崩れていく中で気持ち(精神的)に追いついていかず、しんどい思いをしたことを思えば、やはり「予防」という視点に立った医療が進んでほしいと思います。
分責:平井誠一
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2017年10月03日

<講演会>ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)と脳性麻痺の二次障害とは



講演会「ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)と脳性麻痺の二次障害とは」 







 あなたは、「身体が動きにくくなってきたのは、年をとってきたから」と
思っていませんか。あなたは、ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)や脳性麻
痺の二次障害を知っておられますか。


◆ポストポリオ(二次障害)の場合は、筋力低下、疲れやすさ、それも急な疲れやすさ、痛み(筋肉・関節部)、呼吸障害、嚥下障害、排泄障害、身体の変形の進行、その他の症状が出てきます。


 

◆脳性麻痺の二次障害の場合は、「歩きにくくなって転びやすくなったり」、「手にしびれや痛みがきたり」、「力が入らなくなったり」、「誤嚥障害が出てきたり」、「オシッコが出にくくなったり」という症状が出てきます。


 

二次障害は、ポリオや脳性麻痺の人に起きる二次的な障害です。もっとご自分の障害について知って理解し、ご自分の生活を見直してみませんか。








日   時:11月4日(土) 13時30分〜16時迄 
場   所: サンシップとやま 701号室 
参 加 費: 無料 
講   師:  野村 忠雄 氏 
講師紹介:
富山県リハビリテーション病院・こども支援センター
名誉院長・富山県高次脳機能障害支援センター長
金城大学医療健康学部作業療法学科 教授・医学博士







内容: 
・ポリオと脳性麻痺の二次障害とは何なのか。 
・どのような症状や障害が起きてくるのか。 
・どのような治療があるのか。 
・二次障害を避けるための予防として何があるのか。 











プログラム: 
13;00〜13:30 受付 
13:30〜13:35 あいさつ 
13:35〜14:05 ポストポリオネットワーク富山の活動紹介・脳性麻痺の活動紹介について 
14:05〜14:10 休憩 
14:10〜14:55 ポリオの二次障害(ポストポリオ)について 
14:55〜15:00 休憩 
15:00〜15:45 脳性麻痺の二次障害について 
15:45〜16:00 疑問・質問コーナー 





共催: ポストポリオネットワーク富山・自立生活支援センター富山 
連絡先: 富山市新川原町5-9 レジデンス新川原1F 
電 話: 076-444-3753 FAX.076-407-5557 
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2017年07月12日

学習会 こうべ≠フ社協による地域共生社会への取組みに学ぶ〜神戸における地域に寄り添う相談支援〜 を開催します。

神戸市社会福祉協議会 地域福祉課の森貞課長をお迎えして現在の複合化した福祉課題に対して地域住民を巻き込んで解決を図る取り組み「地域福祉ネットワーカー」の実践についてお話を伺います。
 
 神戸における地域福祉ネットワーカーの活動は、外国籍の子供たちの学習支援、不登校の子供たちの居場所づくりセルフネグレクトや引きこもり支援等さまざまです。それぞれの地域にある課題について、地域住民の方にも一緒に考えてもらいながら、その地域で支え合っていく活動を実践されています。
 
 日々相談者に向き合いながら、どのような視点で課題を整理しどのようにして問題解決に向けた協力者の発掘と育成をしていったらよいのか、神戸の実践に学び今後の活動に活かしていきたいと思います。

日時: 2017年9月9日(土)13:30〜16:00(13:00開場) 
場所: 富山県総合福祉会館(サンシップとやま)703号室
参加費: 無料 <事前申し込みを受け付けております。FAXかメールでお申込みください。>
講師: 神戸市社会福祉協議会 地域福祉課長  森貞 拓郎氏

※この学習会は富山県民NPO活動支援ファンド助成金を受けて実施されます。
主 催: 自立生活支援センター富山 
後 援: 富山市・(福)富山県社会福祉協議会・(福)富山市社会福祉協議会
連絡先: 富山市新川原町5-9 レジデンス新川原1F
電 話: (076)491−3385 担当:田中(富山生きる場センター内)
F A X: (076)407−5557
Eメール: info@cil-toyama.com 
  ★事前の参加申し込みをお勧めします★
詳細は、当センターホームページ をご覧ください。  
  FAX番号 076-407-5557 またはEメールinfo@cil-toyama.comまで、お名前、職種、連絡先電話番号を
お知らせください。(メールの件名に「学習会」とお書き下さい) 
  ※手話通訳・要約筆記が必要な方は申込時にお知らせください。不明な点は電話076-491-3385まで
お問い合わせください。
posted by りーぶる at 23:25| Comment(0) | 当センターイベントのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする