富山市は、ライトレールに続いて、現在の路面電車の一部を環状線化してライトレールと同じ車両を走らせる計画を立て工事に入っています。
現在の路面電車の電停は以下の写真のようになっています。

戦前から使われてきた電停だと思います。電停の高さや幅も電停によってまちまちです。計画では、新しく作られる電停は交通バリアフリー法で作られるそうだが、既存の電停は新しく走る電車の高さにして、スロープを着けると担当課の話しでした。
しかし、現状の電停のままで高さをあげ、スロープを現在の長さで着けることはすごく危険であり、写真でもわかるように電停から足先が出てしまいます。
また、車いすで回転することも危険が伴い、電停にいると電車と接触する可能性があることが私たちの調査でわかりました。
そこで富山市長と富山地方鉄道KKに以下の要望書を昨日提出しました。
2009年7月2日
富山市長
森 雅 志 殿
NPO法人 自立生活支援センター富山
富山市新川原町5-9 レジデンス新川原1F
076-444-3753 Fax. 076-407-5557
理事長 平 井 誠 一
富山の交通アクセスをよくする会
代 表 長 澤 誠 二
富山市路面電車環状線化についての要望書
貴市におかれましては、「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」を基本方針に、富山駅周辺地区の整備や市内電車環状線化によるLRTネットワークの形成など中心市街地の活性化に取り組んでおられることに敬意を表します。
さて、現在進められている「路面電車の環状線化」に際して、貴市の都市整備部路面電車推進室でお話を聞いたところ、新しい電停については新しい基準で作られるが、その他の電停は高さを上げ、スロープを着けるようだと聞きました。
さらに、マスコミ等で「富山地方鉄道への3車体連結の車両1台導入」を議会に提出されると報じられていました。
「路面電車の環状線化」ではライトレールと同じ車両で、乗降部の高さは地面から30センチ(会社によると)、調査ではインテック前乗降部の高さは地面から27.5センチです。一方新聞発表されている来年4月に走る3車体連結の車両は、乗降部の高さは地面から35センチです。同じ線路に新しく導入される車体の乗降部の高さが5センチ違うのではないかという疑問の中で、ほんとうに私たちが利用しやすいものになるのだろうかと心配しています。
私たち障害者の立場から別紙の調査内容と危惧される課題についてご検討いただき、障害者等の移動の安全と安心して利用でき、生活・就労の権利を進める立場から以下の要望をいたします。
記
1.調査について
・調査は、路面電車環状線化される電停。(環状線化される内側の電停のみ)
・調査項目は、電停の高さ(線路側と道路側)、電停の幅(線路側から道路側の幅)、ガードレールの有無、スロープの有無。その他。
2.課題について
・現在の電停の幅や高さは、電停によってまちまちであること。(電車との接触、電停からの転落・恐怖、車いすの回転が出来ない・危険の可能性あり)
・電停にガードレールがついてないところが半数ぐらいあること。(電停からの転落の危険性の可能性あり)
・電停にスロープがほとんどついていないこと。
・上記のことにより、現状のままで電停の高さが上がってスロープが着けられるだけでは、車いす利用者及び電動車いす利用者・高齢者が電停で安全・安心して車いす等の回転・乗車や降車ができません。(歩くことの出来ない障害者にとって、車いすや電動車椅子は「足」であり、収入の少ない障害者にとって公共交通機関は大切な移動手段です。)
・電停に乗車や降車するための横断歩道の問題。(現状では、レールがひかれている横断歩道の不備により車いすからの転倒することもあり危険であること。)
・電停の改修に当たっては、電停と歩道との間の道路幅が狭いことの問題。(但し、桜橋電停等いくつかの電停では歩道側が少し食い込んで、道路幅を確保されています)
・「路面電車の環状線化」で導入される車両(LRT)と3車体連結の車両(LRV)の地面から乗降部の高さ5センチの違いにより電停の作られかたに疑問があります。
3. 要望について
・LRTに合わせた電停の改修には、車いす利用者・高齢者が電停で安全・安心して車いす等の回転・乗車や降車ができるようにしてください。
・高齢者や障害者が安心して渡れることができる横断歩道の整備を行ってください。
・既存の富山地方鉄道の電停改修については、富山市としても支援を行ってください。
・そのための検討会を富山市・富山地方鉄道・私たちの団体・国土交通省などを含めて行ってください。
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調査の詳細については、
こちら(pdfファイル)からどうぞ。