自立生活支援センター富山の水害時の
「避難確保行動事業」実施報告 今回の避難訓練は、私たちの職場がいたち川の近くで過去に何度か氾濫したことがある所なので水害による避難訓練を行うことにしました。
職場の避難訓練をなぜ行うことにしたかと言えば、私たちは障害者の相談支援を行っており利用される方が障害を持った方が多く、また職場で障害を持って働いている者が過半数以上になる事もあり、日中に災害が起きたらどのように避難するか、障害者自らが考えて行こうということで行いました。また、この地区は富山市の中心にありますが、人口減少と高齢化が進んでいます。町内や近所の方とどのように避難するかを考えて行くことが必要になります。

避難訓練の趣旨・目的等は、水防法第15条の3第1項に基づくものであり「特定非営利活動法人 自立生活支援センター富山」の就労者並びに利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図ることを目的とするものです。この事業を遂行するにあたり、富山県民生委員児童委員協議会民生委員・児童委員ネットワーク促進事業実施要領によるものでご協力いただきました。主催は自立生活支援センター富山で、共催は富山市民生委員児童委員協議会 障害者・高齢者福祉部会、地域福祉部会です。
今回の基本テーマは「障害のないまちづくり」とし、障害者の就労中、就労場所が被災(洪水等)とした場合、どのように避難し行動するか、そのために非難確保計画策定と、避難行動訓練の実施をすすめるものとしました。(富山市民生委員児童委員協議会の方々とは3年前から防災の取り組みをしてきました。)

実施は、当センターで平成31年4月24日(水)の時間は9時50分から11時30分で、近くの避難場所である富山市教育センターの体育館までの行程で行われました。参加者は、当センター職員と理事・利用者、富山県民生委員児童委員協議会民生委員、町内会の方々、富山市障害福祉課、富山市防災対策課、富山県防災士会、富山市民児協事務局の方々総勢22人が参加しました。
以下はスケジュールです。
◎9:50 @開会 Aスケジュール確認
◎10:00 @洪水警報発令(訓練)富山市防災対策課(合図(紙面)「第一警戒体制」)A第一警戒体制にもとづき、初動すること。A)洪水予報等の情報に基づくこと。B)使用する資材等の準備に関すること。C)緊急連絡網による連絡に関すること。・緊急連絡網の上位から連絡をいれ協力要請をすすめること。 D)通報119(訓練)。・富山消防署に通報すること。
◎10:20 @洪水警報発令(訓練)富山市防災対策課(合図(紙面))。いたち川氾濫注意情報から、第2警戒体制に移行が見込まれるもの。 A理事長指示 A)特定避難所に避難準備にはいる指示。B)要配慮者の避難指示と誘導をすすめること。
◎10:30 @特定避難所(避難完了)
その後、当センターに戻り
◎10:40 @総評:講師:特定非営利活動法人富山県防災士会の事務局長佐伯邦夫氏より話されました。
◎11:00 まとめとして、コーディネーター(富山市民児協事務局)坂田さんが話されました。
参加された方からご意見や感想をいただきました。
・ライフジャケットのチャックが閉め にくかった。
・車椅子の扱い方が分からなかった。
・高齢者の避難誘導という視点はあったが、障害者の避難誘導まではなかった。
・119番通報などのタイミングや手 順がどうだったのか。
・ひとり暮らしをしているけど避難はどうなんだろうか。
・水害の時に電動車椅子のバッテリーやコントロールボックスが水が付くと壊れるので手動車椅子で逃げなければならない。
・町内は高齢者が多いので避難は課題・・・等の意見が出されました。
また民生委員の方からは、近隣の民生委員の人たちが助け合うことも考えられることや何度でも避難訓練を行うことの必要性、地区の人たちが話しあうことの大切さが言われました。
なお、この避難訓練を行うにあたり「富山ファーストバンク社会福祉基金」様よりライフジャケット,ボート,拡声器,ライト,避難場所案内旗,避難誘導旗,浮き輪等の物品購入費を助成していただきました。ありがとうございました。この場を借りて感謝申し上げます。万が一の備えをしていきたいと考えて、今後は年に1回避難訓練を行いたいと思っています。 (文責 平井誠一)

(参加された高城謙子さんの感想)
4月24日、自立センターでいたち川が氾濫したという想定の防災訓練に参加しました。私は体験室で体験しているという想定です。普段は一人暮らしの私がもし実際に避難しなくてはならない時になったら、誰か助けてくれたかなって思ってしまいました。改めて近所付き合いの大切さを痛感しました