2017年06月19日

40年間の足跡

10数年前に施設を出て、地域生活を始めた一人の障害者の男性がいました。
その人は、私を「兄貴」と呼んでくれて兄弟のように思ってくれていました。
名前が「○○一」と「○○二」だった。年は24才違っていたけど。
同じ障害だった。
施設にいるときからいろんな相談に乗ってきました。
その彼は、Macファンで垂れ幕などの仕事を頼んだりしていた。
施設を出てから職業訓練校に通いながら一般就労を成し遂げた彼。
職場の近くにアパートを借りて働いていた。
私の若いときと同じだった。
今どき珍しくなんの福祉サービスを使わずに生活をしていた。
彼はハムが好きでハムの免許を取って友達を作っていた。
その彼は、勤めていたところを辞めて、私のところに現れた。
彼と久しぶりに話をしたときに、10数年前と同じ話を語っていた。
生みの母と育ての母のこと。
いつになっても気にかけている両親のこと。母に対する思いが強く感じられた。
その彼が亡くなった。
亡くなる前に私の携帯に電話を掛けていたという。発信履歴が残されていたようだ。
でも、残念ながら私の携帯には着歴がなかった。
私に何を言いたかったんだろうか。
お通夜に伺ったときに、お兄さんと両親にお目にかかりました。
お兄さんと育ての親のお母さんとは以前に一度会ったことがありました。
育てのお母さんにお目にかかって、思わず手を握ってしまいました。
かれが、ずっと気にかけていたお母さんなんだと思い、思わず涙が出てきて声をかけていました。
お通夜が終わって帰るときにお兄さんから「彼の分も頑張って下さい」といわれました。

最後に私に何か言いたかったのかと思うと気が重いです。
この彼の最後の思いを受け止められるのかと・・・
自然に涙が出てきます。
何を伝えたかったのか、それを考えながらこれから生きていこうと思っています。

平井誠一
posted by りーぶる at 23:53| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月20日

福祉の現場で何が起きているのか

福祉の現場で何が起きているのか

最近、ヘルパーさんが見つからなくなっています。
あっちこっちから聞こえてくるのは、「ヘルパーさんが〇〇人辞めていくから、他のヘルパーさんを探してくださいと言われる事業所が多くなってきました。
また、事業所を統廃合や縮小するところも出てきています。国内的には、ヘルパー事業所をデイサービスなども廃業するところも多く出てきていると聞きます。
今年の4月から介護保険の要支援1・2は、地方自治体に移管されることになりました。つまり国の制度から離れることになります。
また、来年から介護保険のデイサービスを高齢者と障害者が一緒に利用できるようになります。
自己負担もサービスを利用する時には、年金とその他の収入を併せて300数十万円があると3割負担になるようです。(介護保険です)
さらに、高齢者施設を利用するときには、単身者で預貯金が1000万円、夫婦で預貯金が2000万あると自己負担が出てくるようになるそうです。(介護保険です)

これは、最初のプロローグですね。
当然、このあと障害者にもいろんなかたちで制度的に変わっていくものと思います。

ヘルパーさんが居なくなっていく減少は、ここ数年起こり始めた現象です。
保育士の問題とよく似た課題があると思います。
資格を持った人たちが多くおられるが、なり手が少なくなっています。
なり手が少ないのは、単なる賃金の問題だけではないと言えます。
それについては、今は述べないことにします。

文責:SH
posted by りーぶる at 22:07| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月04日

第22 回東海北陸車いす市民交流集会報告書

第22回東海北陸車いす市民交流集会がサンシップとやまにて両日で総数120 名の方が参加者されました。
<第1日目>924-1.gif
9 月24 日(土) PM13 時30 分〜PM16 時30 分 サンシップとやまホールにて100名以上の参加者があり、総合司会には八島梨花(自立生活支援センター富山)さんにして頂きました。
 最初に実行委員長の挨拶後に7 月に起きた津久井やまゆり園犠牲者を悼んで追悼式が行われました。
924-2.gifその後、今テーマの「障害者の人権におけるバリアフリー交流集会IN とやま」ということで講演会に入りました。司会に鷹西 恒さん(富山福祉短期大学 教授)にしていただきました。
924-3.gif お一人目の講演者に尾上浩二さん(障害者インターナショナル日本会議 副議長)に「障害者差別解消法と共生社会の現実 〜問われる社会の行方〜」という題名でお話をしていただきました。
 お二人目は、 杉田尚美さん (富山県厚生部障害福祉課 副主幹・自立支援係長)に「障害のある人の人権を尊重し県見皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例」と県の取組みについてお話をしていただきました。質疑応答では、制度の有効性などについて質問等があった。

925-1.gif<第2日目>
 9月25日(日)AM9 時30 分〜正午 サンシップとやま701 号室にて50名近くの方が参加されシンポジウムが行われました。司会には浅木裕美(自立生活支援センター富山 事務局長)さんにしていただきました。
 最初に、古込和宏さんにビデオ出演して頂きました。古込さんは、難病で石川県の病院に入院中で地域移行をめざして取り組んでおられ、現在の思いや決意を語っておられました。
925-2.gif お二人目は、九曜弘次郎さんで富山盲ろう者友の会会長をしておられます。お話しは、家から離れて一人暮らしに至る経過と一人暮らしをして見てどうだったか、そして今後の課題について語られました。
 三人目は、長澤誠二さんで施設から出て富山市内のグループホームに移り一般企業への就職をして感じたこと。また、アパート その後、質疑応答があり富山における盲聾者の人数や一般企業での身分などについて会場から質問がありました。

925-2a.gif また、もう一方で市内観光も行われました。A コースには7人の参加者とボランティア3 人で高志の国文学館・ガラス美術館・池田屋安兵衛商店を回られました。池田屋安兵衛商店では、薬を作る実演を見学されました。
925-4.gif Bコースには14人の参加者とボランティアさんが3人でライトレールに乗られて岩瀬浜まで行き、岩瀬の古い町並みを見学されました。その後、富岩水上ラインで富岩公園まで上船。船に乗られた岐阜の方たちは「海のない所なので、船に乗って海が観れたので良かった」という感想をお聞きしています。

925-3.gif 今回は、富山の方たちも60名近くの参加者やボランティアさんたちも協力して頂きました。また、多くの方々から協賛金を頂き資金的にもご協力を頂き、無事に今回の企画を終えることが出来ました。
 心からお礼を申し上げます。

 2016年9月30日

                             東海北陸車いす市民交流集会実行委員会
                                 実行委員長 平井誠一
                              富山市新川原町5-9 レジデンス新川原1F
                                 (自立生活支援センター富山内)
posted by りーぶる at 22:56| Comment(0) | 講演会報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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